うつ病と双極性障害の治療と薬の違いについて当事者が考察

双極性障害(躁うつ病)
こんにちは、双極性障害持ちアスペルガー研究家マスペル(@Aspergers_Gate)です。

うつ病だと診断されてましたが後に双極性障害とわかった私が治療の違いについて考察していこうと思います。

うつ病と双極性障害治療の大きな違いは薬の種類

精神障害の基本治療はやはり薬です。もちろん精神療法を取り扱っているところもありますが割合としては少ないのもあり、私自身今現在受けているのは薬物療法のみなので本記事では薬物療法に絞って書いていきたいと思います。

似ている症状があるから似た薬だろうと思いそうになりますがうつ病と双極性障害では全く別のものになります。

  • うつ病の薬は抗うつ薬
  • 双極性障害の薬は気分安定薬と非定型抗精神病薬

これらが基本になります。

双極性障害の薬の気分安定薬と非定型抗精神病薬とは

抗うつ薬は脳内のセロトニンを増やす薬です。抗うつ薬に関しては有名なので皆さんご存知だと思うので気分安定薬と非定型抗精神病薬について述べていきたいと思います。

気分安定薬とは

気分安定薬は、気分の波を落ちつける効果が期待できるお薬になります。それぞれのお薬によって特徴が異なりますが、

  • 抗躁効果:上の波を抑える
  • 抗うつ効果:下の波を抑える
  • 再発予防効果:ゆるやかな波にする

この3つの作用が期待できるお薬が分類されます。

気分安定薬としては、以下のようなお薬が分類されています。

  • リーマス(炭酸リチウム)
  • デパケン(バルプロ酸)
  • テグレトール(カルバマゼピン)
  • ラミクタール(ラモトリギン)

引用:【精神科医が解説】気分安定薬の効果と副作用

抗うつ薬が名前の通り抗うつ作用があるのに対し気分安定薬は抗うつ作用だけでなく抗躁作用、再発予防効果の3つがあります。

まさに抗双極性障害薬とでも言えばいいような効果を持っている薬と言えます。

非定型抗精神病薬とは

抗精神病薬は、統合失調症の治療薬として開発されたお薬です。ドパミンの働きを調節する働きをもつお薬になります。

抗精神病薬には、定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬に分けることができます。

抗精神病薬は、おもに統合失調症の治療薬として使われています。統合失調症にも様々なタイプがありますが、一番多いのは幻聴や妄想といった症状を特徴とする統合失調症です。

抗精神病薬はそれ以外にも、気分安定作用があるといわれています。このため、双極性障害のように気分の波がある病気に使われることも多いです。気分安定薬に比べると効果が早いですが、鎮静作用によって眠気が生じたり、体重増加の副作用が多いです。

このような目的としては、セロクエル、ジプレキサ、エビリファイ、リスパダール、ロドピンなどが使われます。

参考:【精神科医が解説】抗精神病薬の効果と副作用

元々は統合失調症の治療薬として作られたが双極性障害にも効果があるとわかり使われるようになったのが非定型抗精神病薬です。

ドーパミンに作用することが双極性障害に効果が出ている理由だと思われます。

うつ病はセロトニン不足によりなるものという仮説がありますが、双極性障害はドーパミンが不足するとうつ状態に亢進すると躁状態になるという仮説があります。

なので統合失調症の薬が双極性障害にも効くといえます。

双極性障害と統合失調症は別物ですがある程度の類似性があると私は考察しています。

一見してうつ病と双極性障害の方が症状が似ていますが双極性障害と統合失調症のほうが似ているのではないかと考察しています。

それは双方とも薬物中毒状態に類似しているという点です。

双極性障害と統合失調症は薬物中毒状態と類似性がある

薬物を利用した場合ドーパミンが過剰に分泌されハイテンションになったり幻覚が見えたりするなどとよく言われますがこれはまさに双極性障害や統合失調症の状態と同じではないかと思えます。

そして薬物中毒の場合薬物が切れると精神が安定しなくなりまた薬物が欲しくなります。これも双極性障害のうつ状態、統合失調症の陰性症状もあの頃に戻りたいという気持ちと同じであると考えられます。

つまり双極性障害や統合失調症は自然に脳内麻薬物質が過剰に分泌されてしまう病気だと考えるとスッキリと説明できます。

双極性障害や統合失調症は自然に脳内麻薬物質が過剰に分泌されてしまう病気という仮説

一般的には双極性障害と近いのはうつ病だと言われていますが、効果のある薬の種類の被りなどを考えても双極性障害は統合失調症に近い病気だと考えられます。

うつ病は単にセロトニンが減りうつ状態になるという病気で双極性障害や統合失調症はドーパミンが過剰分泌されその後枯渇状態になり反動でうつ状態になると考えるのが当事者としても一番しっくりきます。

躁状態の時にエネルギー(ドーパミン)を使いまくり枯渇してうつ状態になりしばらくエネルギーが溜まるのを待ち溜まってきたら躁状態に再びなるというのが双極性障害当事者の感覚として正確かなと感じます。

そしてドーパミンが作用する部分が「気分」を司る分野であるのが統合失調症と違いだと思われます。

統合失調症の場合はドーパミンが作用する部分が「思考」「知覚」を司る分野であるのが双極性障害との違いであると思われます。

統合失調症の陽性症状でエネルギー(ドーパミン)を使いまくり枯渇して陰性症状になりエネルギーが溜まるのを待ち溜まってきたら陽性症状に再びなると推論できます(当事者ではないのであくまで推論の憶測ですが)。

うつ病・双極性障害・統合失調症の違い

一般的にはうつ病と双極性障害(躁うつ病)の方が症状の見た目から近いと考えられてきたと思います。

しかしうつ病は単極性(一方向に気分が落ちる)障害なのに対し双極性障害と統合失調症のは上下のサイクル性があるという大きな類似点があります。

更に原因となる物質もおそらくドーパミンで共通しておりうつ病のセロトニンとは違っています。

以上の点からうつ病と双極性障害よりも双極性障害と統合失調症の方が類似しているのではないかと考察されます。

うつ病の治療はセロトニン・双極性障害の治療はドーパミン

以上のことからうつ病の治療にはセロトニン不足を補う抗うつ薬が有効で、双極性障害にはドーパミンの量を調整する気分安定薬、非定型抗精神病薬が有効であると考えられます。

このように症状だけを考えるとうつ病に似ているから抗うつ薬が有効そうな双極性障害ですが、そのメカニズムではむしろ統合失調症に近く薬や治療もうつ病より統合失調症に近くなります。

また以下のような意見もあります。

最近、双極性障害のドーパミン調節異常仮説が提案された。Berkらは双極性障害のドーパミン仮説を提唱し、双極性障害ではうつ病相でも躁病相でもドーパミン機能の異常が薬理学的に推定されると述べた[14]。すなわち、躁病相ではドーパミン機能の亢進が、うつ病相ではドーパミン機能の低下が推定される。躁病相ではドーパミン機能亢進に伴い、ドーパミン受容体の2次的な脱感作が生じ、続くうつ病相を悪化させる。一方、うつ病相ではドーパミン機能低下に伴い、ドーパミン受容体の2次的な感作が生じ、続く躁病相を悪化させる。このようにして中枢ドーパミン機能の調節異常(dysregulation)が双極性障害の病態で認められ、病相交代を繰り返す一因となっているのではないかという。この仮説は魅力的であるが、必ずしもこれまでの生物学的マーカーの研究によって十分に支持されているとはいえない。

参照:モノアミン仮説

双極性障害はドーパミンだけでなくノルアドレナリンも関係している

先程まではドーパミンに注目して来ましたがもう一つ双極性障害には関係が不快と思われる物質があります。

それはノルアドレナリンです。

以下はノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンの関係性です。

ノルアドレナリン

緊張や不安、集中、積極性をもたらし、ストレスに打ち勝とうとするときに働く。
過剰になると攻撃的になったり、ヒステリーを起こしたり、パニックになったりする。

ドーパミン

喜びや快楽、意欲をもたらす働きがある。
過剰になると過食や買い物依存、アルコール依存になったりする。

セロトニン

アドレナリンとドーパミンの2つが過剰になって暴走しないように、調節している。

ストレスがかかると放出されるノルアドレナリンは、自律神経に働きかけて心拍数を上げたり、血液量を増やしたりして、活動しやすい状態をつくる。
一方、ストレスになるようなツライ状況を乗り越えたときの達成感、うれしい気持ち、つまり快感をもたらすのがドーパミン。
この2つをコントロールして、気持ちを安定させるのがセロトニン。
ストレスによる心身のダメージを減らすには、それぞれの脳内物質のバランスが大事なんだ!

 

参考:https://www.ohara-ch.co.jp/meitantei/vol01_1.html

 

躁病にはドーパミン受容体遮断薬である抗精神病薬が有効であり、脳脊髄液中HVA濃度が躁病で高値であるという報告もある。うつ病のモノアミン仮説で述べた仮説を考え合わせると、躁病では脳内カテコールアミン(ドーパミンとノルアドレナリン)の機能亢進、うつ病では脳内カテコールアミンの機能低下が生じ、躁病とうつ病の両方で脳内インドールアミン(セロトニン)の機能低下が生じるというモノアミン仮説が1970年代に提案された[11]。カテコールアミン機能の躁病とうつ病における対照的な変化は現在も妥当なものと考えられている。

参照:モノアミン仮説

双極性障害の躁状態は単純に気分が良くなりハイになるドーパミンだけでなく、攻撃的になったりヒステリーを起こすというのがドーパミンではなくノルアドレナリンの特徴と一致するのでドーパミン単体を原因とするドーパミン仮説よりはドーパミンとノルアドレナリンが関係しているという説に一理あるとも感じます。

またセロトニンに関してはうつ病とは違い多ければ多いほどいいというわけではないように思えます。

操縦役であるセロトニンが増えすぎるとドーパミンやノルアドレナリンが亢進して躁状態になるように個人的な感覚を経験的にも感じるのでセロトニンが多ければ多いほどいいというようなうつ病とは双極性障害は違うのではないかと感じています。

うつ病の治療はセロトニン・双極性障害の治療はドーパミンとノルアドレナリン

以上のようにうつ病の治療には抗うつ薬を使い、双極性障害の治療にはドーパミンとノルアドレナリンに働く気分安定薬と非定型抗精神病薬を使うという違いがあることがわかりました。

それでは今回はこれくらいにしておこうと思います。

ご覧いただきありがとうございました。

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